※ フィクションです
絵里奈さんは語った。
絵里奈「あれは、本当に平和な日常の昼間でした。
15時30分 強盗が侵入しました。
銃を持ちだしてカウンターを占拠したというのです。
このとき私たちと鏡花さんは、ビル3Fの別室で、新しい新入スタッフさんと打合せ会議をしていました。
たまたま3名で1階フロアを離れていたのです。
最初は、何がおきたか誰もわかりませんでした。
次第に、社内連絡網により、強盗が入ったらしい、というニュースが伝わりました。
絵里奈さん「田中部長っ!強盗ですっ!」
鏡花さん「慌てないで、落ち着きなさい。ここはまだ気づかれてないはずよ」
鏡花部長はすごく冷静でした。
鏡花さん「1階は今は行っちゃダメよ。
3階の南側に、今は使っていない倉庫があるわ。そこに身を隠しましょう。」
私たちは、最近、整理をしはじめたあまり使っていない事務の物置き場の、倉庫室に移動しました。
そこで2時間ほど身を潜めていたのですが、見回りにきた強盗3人に見つかってしまいました。
強盗団「おいおい、まだいるじゃねえかよ、どうなってんだ」
強盗団「動くな、変な気おこすんじゃねえぞ」
以下は、絵里奈さんのインタビューから事実を記録したものである。
***
半泣きになる女子社員2人を前に、鏡花は毅然としていた。
鏡花「人質になるわ、何もしないから危害を加えないで」
強盗団たちは、物置部屋に3つのパイプ椅子を並べて3人を座らせた。
そして両手と両足をロープで縛り始めた。
鏡花「大丈夫よ、私がついているわ」
鏡花は、絵里奈たちにそういった。
強盗団「よし、お前ら、見張ってろ」
リーダー格の1人は、若そうな強盗団3人にそう指示を出すと、1階へと戻っていった。
3人はパイプ椅子に並べて座らされた。
逃げないように両手首と両手足をガムテープで縛られ、さらにビニールひもで腰をパイプ椅子に縛られた。
彼ら強盗は、ボスとは違う下っ端の若い衆のようだった。
強盗団の1人がスマホを弄る。
強盗「おい、目え離すんじゃねえぞ。ボスに言われたろ?」
強盗「ああ?わかってるよ
でも大丈夫だろ、手足縛ってんだから」
面倒臭そうにそう答える若い強盗。
どんな組織にも、真面目な人間と不真面目な人間がいた。
冷静な鏡花は、何とか逃げるすきがないかを模索していた。
緊張のあまり、じっとりと嫌な汗をかいていた。
強盗「おい、姉ちゃん、お前かわいいな」
1人の強盗の下っ端が、20代スタッフの絵里奈に声をかける。
絵里奈の顔が恐怖にひきつる。
強盗「おまえ….おっぱい、何カップだ?」
絵里奈「…..しっ….Cカップ…ですっ…」
恐怖のあまり、屈辱的なセクハラ質問にも素直に答える絵里奈。
強盗「なんだ、意外とちっちぇえな….どれどれ、確かめてやるよ」
絵里奈「….やっ、….やめてくださいっ…///」
強盗「聞こえねえなぁおい、なんかいったか?」
蚊の鳴くような声でいう絵里奈。
そこに、大きなピシャリとした声が響いた。
鏡花さん「…あなたたちっ…..やめなさいっ!!」
毅然と声をあげたのは鏡花だった。
強く大きい声に、一瞬、ビクっとした強盗たち。
全員が一斉に鏡花の方をむいた。
強盗「…….ああ?
いま….声出したの….おばさん、あんた?」
おばさんとは随分、失礼な表現だった。
強盗「いい度胸してんね、おばさん…
自分の立場わかってんの?」
もちろん鏡花だって内心は怖い。だが、毅然とした表情で言い返した。
鏡花さん「あなたたち、まだ若いでしょう?
あなたたちのやってることは犯罪よ。日本の警察は優秀よ、絶対に逮捕されるわ。
上に命令されて仕方なくやってるなら、せめて罪を軽くすることを考えなさい」
若い強盗「あー、なんかむかつく、なめてんじゃねーよ、この銃がオモチャに見えるかい?」
別の強盗「おい、やめとけ、ボスに怒られるぞ」
3人のうちリーダー格の強盗がたしなめた。
どうやらこの3人に勝手に人質を殺したりする権限はないようだ。
それがわかり、鏡花は内心、少し強気に出ることができた。
鏡花さん(説得できるかもしれないわ….)
鏡花は、この3人の強盗を説得することを試み始めた。
鏡花さん「あなたたちはまだ若い、未来があるわ。
バカなことはやめなさい。
私に電話を1本かけさせてくれれば、後で、あなたちが協力したと伝えるわ」
強盗たちが、鏡花の顔をマジマジと見つめる。
鏡花さん「大丈夫、あなたたちのボスにはバレないようにする。
主犯格でなければ、遥かに罪は軽くなるわ。
もし万が一、捕まったときの保険だと考えなさい。
もしうまく逃げれたらそれでもいいじゃない。
あなたたちに損はないはずよ?」
強盗の1人は話を聞かずにじーっと鏡花の胸を見つめている。
いやな予感がした。
強盗「おばさん…、意外と胸でっけえなw
おい、おまえは何カップだよ?」
鏡花は絶望した。
話が通じない。
見張りに割り当てられた強盗たちは、猿のように知能のないバカたちだった。
鏡花「….答える必要はないわ」
強盗「…んだと?こいつ….っ」
そういって強盗の1人が鏡花のおっぱいを揉みはじめた。
平静を装う鏡花の顔が、少し屈辱に歪んだ。
強盗「へへっ、こりゃすげえな、Fカップってとこかい? このサイズじゃ肩こるだろうよ」
強盗「おい、お前、やめておけよ」
別の強盗がたしなめる。
強盗「堅苦しいこといってんじゃねえよ
せっかく女が3人もいんだ、おっぱい揉むくらい構わねえだろう」
強盗「ふう…ったく。
構わんが、間違ってケガさせるなよ。 ボスにころされるぞ」
強盗「へへっ、わかってら、遊ぶだけだぜ」
自分が触れるだけなら…
そう思い、鏡花は黙ってぐっと耐えていた。