「このことは先生には黙っておいて欲しいの…。ってお願いしても、無理よね?」
桃ちゃんは色っぽい上目遣いで真壁くんにいいました。
「ああ、ダメだ。いじめは絶対に許さない。さあ、ここを出せ」真壁くんは毅然として言い返します。
「くす、そう。それじゃあ、仕方ないなぁ。
本当は私もこんな手荒なことはしたくないんだけど…」
そういうと桃ちゃんは、取り巻きの女の子たちに合図を送りました。取り巻きの女子たちが、真壁くんを壁側に押し付けます。とくに体の大きい2人の女子が、真壁くんを両腕を壁に押さえつけました。
「….なっ、何のつもりだっ!はなせっ」桃ちゃんは、つかつかと真壁くんの方に歩み寄り、真壁くんの頬にビンタをしました。ピシャッッっ
「…..!! なっ、何するんだっ!暴力は…」ビシッっ「….!!!! や、やめろっ! 先生に報告すると罪が重くな….」ピシッッっ
桃ちゃんはニコニコと可愛い笑顔を浮かべながら、真壁くんの右頬と左頬を交互にビンタしました。往復ビンタです。真壁くんが何か喋ったり抗議するたびに、桃ちゃんは容赦なく真壁くんをビンタしました。
「…..っ!!!!!……こ、こんなことして後で…. 」「うるさいっ!!」
ちーんッっ
それでもなお、喋って抗議しようとする真壁くんの股間を、桃ちゃんはぴしゃりっと下側から上向けに平手打ちしました。
私には軽く叩いただけに見えましたが、効果はテキメンだったようです。いきなり男子の急所を叩かれて、真壁くんの端正な顔が苦しそうに歪みました。彼は両腕を押えられたまま、苦悶の表情を浮かべ、みっともなく内股になってクネクネと悶絶していました。
「ほら、いい子だから静かにしてね? じゃないと、おちんちんペンペンするよ?」桃ちゃんは、微笑みながら小さい男の子を叱るような口調で、真壁くんの頭をナデナデしながらにそういいました。
真壁くんはまだ内股で腰をくねらせながら、悔しそうな表情を浮かべ、何か言い返したそうな表情をしました。が、また桃ちゃんに股間を叩かれるのが怖かったのか、大人しくなってしまいました。
私は、男の子ってもっと女子よりも強くて頼りになる存在だと思っていたので、たった1分で桃ちゃんに静かにさせられてしまった男子の姿をみて、びっくりしました。桃ちゃんはいかにも手慣れた様子でした。
(意外と男子って弱いんだなぁ…)
そう思うと同時に、あらためて桃ちゃんに畏怖の念を抱きました。