くすぐられたい男の子たち
18歳を超えたくすぐられフェチの男子大学生たち。
彼らは「女性にコチョコチョされたい」と恥ずかしい願望を持ちながらも、普段はそれを隠しながら大学生活を送っている。
仲のいい大学の友達にも、付き合ってる彼女にすら言えない、女性に半泣きになるまでコチョコチョされたいという男性としては恥ずかしい性癖。
そんな悩める男の子たちを救ってくれるのが、ママ・主婦たちのくすぐり羞恥クラブ。「こちょデリ」。
これは、お小遣いを稼ぐために、くすぐられフェチの大学生の男の子をくすぐる仕事を紹介された直美ママが、若い男の子をくすぐる楽しさに少しずつ目覚めていく物語。
真ん中 直美ママ
右側 沖田ママ
左側 智代ママ
物語に登場するくすぐられフェチの大学生の男子たち。19~22歳。
1人目 水泳部の男の子 大学2年生 彼女あり
2人目 元ボクシング部の男の子、元不良、彼女あり
3人目 勉強ばかりしていた童貞大学生、真面目。
4人目 お洒落でカッコつけの大学生男子、チャラい
(1)退屈
「男子大学生をこちょこちょするだけのアルバイト….ねえ….」
直美は友達のママからのLINEの連絡を見つめていた。
今年で32歳になる主婦。川崎直美。
結婚していて5歳の男の子と3歳の男の子がいる2児の母だ。
旦那は同じ32歳の銀行員。
30年ローンの新築一軒家に住み、何不自由ない生活を送っている。
だが、そんな直美にも一つ悩みの種があった。
刺激がなくて退屈していたのだ。
旦那が週に数回、家事代行のヘルパーを手配し、
実家の母が、家事や育児を手伝っていることもあり、子育てのいちばん大変な時期を脱したと感じていた。
何か新しいことがしたい…直美はそう思っていた。
直美(家で毎日、家事と子育てをしているのも悪くないけど…。
そろそろ何か私も仕事がしたいわ。
なにか新しい内職でもしてみようかしら)
直美には、金欠の悩みもあった。
直美(今月は川村さんの誕生日会もあるし…中山さんとランチに行く約束もあったわね…。
やだ、ランチに着ていく秋服がないわ。 一昨年と同じ服じゃ笑われちゃうし…)
ママ友との付き合いには何かとお金がかかる。
ランチにいったり、贈り物やプレゼントを交換したり。
30代になると、20代の頃のように安い洋服は着れない。肌の美容代や洋服代もかさむ。
直美「夫の給料は悪くないけど…贅沢はできないわ
子供を保育園に預けてる時間を使って、何か夫に内緒でお金を工面できないかしら…」
そんなことを考えていたおり、友達のママに紹介されたのが、くすぐりアルバイトだ。
(2)説明会
主婦やママ同士のネットワークでしか知り得ないアルバイト情報がある。
このアルバイトもそうだった。
ある知り合いのママが経営している風俗店があるという。
一般の求人には出ておらず、保育園のママ友や知り合いのネットワークを通じて、働く女性を探している。
「風俗店はさすがに…ね」 最初は直美もそう感じた。が、
よく内容を聞いてみると、いわゆるMの男性が利用する風俗サービスらしい。
女性側はカラダを触られることもない。服を脱ぐ必要すらない。
仲良くしている近所の沖田ママも、そこで週2で働いてるそうだ。
沖田ママ「あら、直美ママもやるのかしら?
ふふ、楽しみながら稼げちゃうからおススメよ
私もそれで旦那に内緒で新作のお洋服買っちゃったの」
たしかに沖田ママは、ここ数カ月、随分と羽振りがいいようだった
その日来ていたセーターも、直美ならセールでないと手が届かないようなお高いブランドだ。
(夫の給料なら負けてないはずなのに…) 直美は嫉妬を感じてしいた。
直美(でも風俗というからには…
不潔で汚らしい男性のアソコを触ったり咥えたりしないといけないのかしら…)
直美は不潔な中年の男性が苦手だ。
いくら自分のカラダを触られないとはいえ、汚いオジサンの性欲処理をするのは気乗りがしなかった。
そんな懸念を正直に打ち明けると、沖田ママはくすくす笑った。
沖田ママ「あら、直美ママったら…
まだ何も説明を聞いていないのね」
よく聞くと、そのお店のサービス内容はかなり変わったものだった。
沖田ママいわく、知り合いのママの経営しているその店は、大学生以下の男の子を専門にした若い子向けのサービスらしい。
しかも「くすぐりプレイ」と「羞恥プレイ」という特殊性癖に特化した専門店だというのだ。
世の中には、女性にくすぐられることで興奮する男性が多いらしく。
くすぐりを専門に提供する風俗サービスは、近年、需要が増えているのだそうだ。
しかも驚くことに、くすぐられたい男性客の平均年齢は若く、ママのお店では20歳前後の男の子が大半だという。
直美(….私よりも一回りも年下じゃない…!)
沖田ママ
「このお店にくる男の子は、若い20歳前後の男の子ばっかりよ?
私たちから見たら子供みたいなものよ、緊張なんてしないわ」
直美「でも…、それはそれで心配だわ
私が満足させてあげられるかしら….。くすぐりのことも、羞恥プレイのことも、よく知らないわ。」
直美は、女としてまだまだ綺麗だという自信はあった。
でも、10代や20代前半の男の子を満足させてあげられるか、というと心配だった。
直美(やっぱり若い男の子は、若い女の子が好きなんじゃないかしら…。)
沖田ママはけらけら笑った。
沖田ママ 「逆よ、逆!
プライドが高くてカッコつけたい年頃の男の子なんだから!
同級生の女の子に『コチョコチョしてください』なんて言えると思う?(笑)」
よく考えてみれば、その通りだ。
30代の直美ですら、「女性にこちょこちょされたい」という性癖をもつ男性が存在することを、今日、はじめて知ったのだ。
もし自分がまだ20歳そこそこの女の子だったら。
そして憧れの好きな男の子や彼氏が、女性にくすぐられて興奮する性癖だったら…。
直美(…ちょっと幻滅するわね。
カッコいい男性であればあるほど、失望しちゃうかもしれないわ…)
正直、直美はそう思った。
沖田ママ「ふふふ、そうなの。
だから彼ら大学生男子は、誰にも打ち明けられない恥ずかしい悩みを抱えてるの。
大人なのに、コチョコチョされて興奮するなんて、彼女はおろか、リアルな友達にだって恥ずかしくて言えないわ(笑)」
そのせいか、お店には、意外なタイプの若い男の子もたくさん来るらしい。
頭がいい高学歴の男の子。
スポーツのできる爽やかな体育会系の男の子。
モテそうなお洒落っぽいイケメンの男の子。
「え…?
こんな男の子もくすぐりフェチなの?」
と思うような男の子まで、来店するそうだ。
沖田ママ「彼らにとって、私たちのお店でのこちょこちょプレイは、
絶対に友達や家族、彼女に知られちゃいけない秘密の遊びなの」
沖田さんは楽しそうにヒソヒソ声でいいました。
沖田ママ「だから、私たちのお店のポリシーは絶対に秘密厳守。
私たちママさんだって、ほとんどが旦那や家族に内緒で仕事をしてるんだから。
プライベートの秘密はお互い様でしょ?」
たしかに、それはそうだ。
沖田ママ「それに若い男の子たちも、
若い風俗嬢の女の子に接客されるより、私たちみたいな年齢の離れた大人の女性の方が安心するみたいよ?」
沖田ママの話は、まとめると以下のような話だった。
・働いてるのは身内のママさんたちばかり。全員がアラサー。
・お客さんは18~23歳の男子大学生がほとんど
・男子大学生が住んでるお部屋にあがってプレイする
・ママたち数人で1人の大学生をくすぐるのが基本
・サービス料金は、個別に相談して事前に決済。
沖田ママ「相手が大学生だから、正直、あんまりお金は良くないわ。
でもその代わり、私たちが男の子を選べるの。
遊びたくない男の子とは遊ばなくていいし。
相手の『これをして欲しい』という要望は聞くけど、やってあげるかどうかは私たち次第。
だから、半分は趣味みたいなものね。」
若い大学生の男の子に、恥ずかしいことをさせたり、くすぐったりして遊ぶのが好きなママたちが、
ついでにお小遣いを稼ぐことを目的としているようだった。
私(うーん……くすぐったりねぇ…..)
直美は正直、それが本当に楽しいのかどうか、まだピンと来ていなかった。
だが、非日常な体験への興味はあった。
沖田ママ
「あら、横柄なオヤジをマンツーマンで接客しなくていいから楽よ?
3~4人がかりで一方的に若い男の子をこちょこちょして遊ぶだけで、昼職のアルバイトよりは
全然いいお金が貰えるんだから」
沖田ママは楽しそうにいいました。
「それにやってるうちに、だんだんくすぐりが楽しくなってくるわ」
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帰宅後
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私「こら、もう寝なさいって言ってるでしょ」
夜の21時。
直美はつい声を荒げた。
5歳児の息子は、腕白な上に遊びざかり。
さっきまでプラモデルの電車で遊んでいたかと思えば、片付けもしないまま、今度はスマホに熱中。
あちこちにキャラクターのシールを貼り散らかし。
絵本も漫画も散らかしっぱなしだった。
息子「うるさいなあ、まだいいのっ!」
何時になってもスマホを見続けて寝ようとしない5歳の息子。
とりあげてもとりあげても、気づいたらスマホで動画を見ている。
次男「ぎゃああああああ」
3歳児の康太が、直美の大きな声で泣き始める。
康太も絶賛イヤイヤ期。
とにかく男の子の育児は手が焼けた。
今日は、たまたま母が家に来ない日なので、大忙しだった。
私(はあ、私も今晩は早く寝ようと思ってたのに….)
明日は、はじめての男子大学生のくすぐりアルバイトだ。
だが、直美は、まだ自分がどんな仕事をするのか、その実感が沸いていなかった。
私「男子大学生をこちょこちょするだけのアルバイト….ねえ….」
直美にとって、くすぐりは子供とのお遊戯でしかない。
お風呂に入らずにハダカで走り回っている息子を見ながら、直美は不思議な気持ちを抱いていた。
そのとき、沖田ママからLINEにメッセージが入る。
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明日の男の子のプロフね。
高橋くん 19歳。〇〇大学の2年生で水泳部だって。
顔は爽やか系の短髪。 やや筋肉質。
顔写真はこれね。
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この、まるで秘密クラブようなアルバイトでは、なんと、登録と予約に男の子の顔写真が必須となっていた。
男の子は全員、自分の顔写真を登録している。
私(最近の若い子は… よくホイホイと顔写真のせちゃうわね….。心配になっちゃうわ )
だが、直美は写真をみて驚いた。
高橋くんは、爽やかでまあまあなイケメンだった。頼りがいもありそうだ。
とても、女性にくすぐられるのが好きなタイプには見えない。
大学生なら普通に同級生の女の子にモテるであろう、優しそうで男らしい顔。 彼女だって簡単にできそうだ。
直美は、もし自分が大学生だったら好きになってたかもしれない、と思った。
若い頃の旦那に似てるのかもしれない。
私(こんな若い男の子が…わたしみたいな30歳の女性に..こちょこちょして欲しいのかしら…?)
直美は不思議な気持ちだった。
私「大学生の男の子なんて、恋愛ざかりで一番女の子にもモテる楽しい年頃なのに….。
そんな恥ずかしい性癖に目覚めちゃったら大変ねえ」
直美は1人の母として、垢の他人である男子大学生に、少し同情するような気持ちになった。
私(だめだめ…他人様の息子の大学生を心配してる場合じゃないわ
私はいまお金を稼ぐのよ)
直美はLINEで沖田ママに返信した。
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明日14時からでしたら参加できます。
息子を保育園に迎えにく18時までなら時間とれます。
ご指導よろしくお願いします
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沖田ママからは、軽やかな「OK」のスタンプとともに、明日の集合時間が送られてきた。
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朝7時30分。
旦那が慌ただしく身支度を整えて家を飛び出していく。
階段をドタドタと登り降りする音。
洗面台でジャーっと水が流れる音。
ヒゲ剃りのヴィーっという音。
そのまま、足音はリビングを通り過ぎ…
そして靴箱と玄関のドアがぎーっと開く音が聞こえる。
私「あ…ちょっと! お弁当….! あるわよ…っ」
旦那「いや、要らない。 今日は昼は取引先と会食なんだ、ごめんね」
旦那は、玄関で靴を履きながらそういいます。
私(….はぁ? ..それ。昨日言ってよ、もう作っちゃったじゃないの)
内心、直美は腹を立てたが、敢えて口には出さなかった。
私「じゃあ朝ごはんは….パン焼くけど」
旦那「いや、いい。時間がないんだ」
私「….そうなんだ……あ! いってらっしゃい」
私がそう声をかけた頃には、もう旦那は玄関を飛び出したあと。
返事もない。
私(行ってきます…くらい言えばいいのに…)
新婚当初は、玄関でイチャイチャしたり、スキンシップしていたものだ。
旦那のルックスは今でも好みだ。近所からも「素敵な旦那さん」と言われている。
でも子供を産む前のような、恋愛感情は失われていた。
最近はすっかりセックスもしていない。
私(さてさて…、子供に朝ご飯を食べさせないと…)
朝9時までは直美も大忙しだった。
子供のお弁当をつくり、朝ごはんを食べさせ、
歯を磨かせ、服を着替えさせ、荷物の準備をさせ、
幼稚園と保育園に送り出す。
帰宅してからも一息つく暇もない。
掃除機に洗濯。
私(ああもうっ、なんでこういう日に限ってヘルパーさんいないのよっ)
今日は午後1時から沖田ママと会う約束だ。
康太の幼稚園のお迎えが18時。
そこから夕飯を作って食べさせて、遊んで寝かせてと大忙しだ。掃除や洗濯は今のうちに片づけるしかない。
私「ああ、忙しい…っ」
直美は思わずため息をついた。
私「アルバイトまでするのはやっぱり大変ね…。」